- 高配当株を買うベストタイミングは?
- 高配当株はどのように買い増せばいいの?
そのような方向けの記事です。
日本株の好調で高配当株への関心が高まっています。
インターネットやSNSなどでは、おすすめの銘柄が次々と紹介されているので情報は豊富です。
しかし、買いたい銘柄が分かっているだけでは不十分。
実際に高配当株投資を行う上で最も重要なのは、どれだけ安く株を買えるか、とうやって買い進めるかです。
このページの内容は以下の通りです。
・日本高配当株リストの紹介
・日本高配当株の買いタイミング
・高配当株投資のための資金管理方法
チャートツールの初期設定方法から、具体的な買いタイミングについて、
私が実践している「日本高配当株の買い方を5STEP」で紹介します。
高配当株をどのよう買い進めていけばいいのか、また日常的にやるべきことが具体的に分かりますので、ぜひ最後までご覧ください。
あやせ
投資家 兼 サラリーマン
投資歴12年(2024年1月現在)
米国債券/米国ETF/米国個別株/日本個別株/国内ETF/投資信託/暗号資産FX
IDECO/ジュニアNISA/新NISA満額投資
高配当株投資の基本とは?
具体的な買い方の前に、高配当株投資の基本について解説しておきます。
高配当株について、既によくご存知の方は5STEPへお進みください。
私が考える高配当株の基本は以下の3点に集約されます。
- 多くの優良銘柄に分散投資すること
- 割安のタイミングを見極めること
- 資金を分割して買うこと
多くの優良銘柄に分散投資すること
高配当株投資はたくさんの銘柄への分散投資が大切です。
ネット媒体では時折、10銘柄ほどの大型銘柄だけのポートフォリオが紹介されているケースがありますが、私は怖くてまねできません。
私の場合は、現在85銘柄の様々なセクターの銘柄に分散投資しています。
分散投資の理由は、銘柄固有のリスクを軽減できるからです。
個別銘柄への投資は、市場全体の動きに影響される市場リスクと特定のリスク(固有リスク)の二つに分けられます。
市場リスクは全ての銘柄共通の脅威ですが、固有リスクは企業の業績や業界の変動、経営の問題などが原因なので分散投資により軽減が可能です。
10銘柄のみに投資する(分散が小さい)場合
10銘柄のみに投資するポートフォリオは、各企業が直面する固有リスクにより大きく影響を受ける可能性が高くなります。
仮にポートフォリオ内の1つの企業が業績不振に陥ると、その影響は全体の10%に及びます。この場合、ポートフォリオの全体的なリスクは比較的高いと考えられます。
統計的には、このような少数銘柄のポートフォリオの固有リスクは全体のリスクの大部分を占めることになります。
85銘柄のみに投資する(分散が大きい)場合
一方、85銘柄に分散投資するポートフォリオでは、各企業の固有リスクがポートフォリオ全体に与える影響は大幅に軽減されます。
たとえば、1つの企業が問題を抱えても、その影響は全体の約1.2%にしかなりません。統計的に見ると、分散投資により固有リスクは減少し、市場リスクの比重が相対的に増加します。
これにより、投資全体の予測可能性と安定性が向上します。
割安のタイミングを見極めること
次に、高配当株投資で大切なことは割安のタイミングを見極める技術です。
高配当株投資においては、割安なタイミングでの購入が重要です。
インデックス投資の場合、資金を一括投資した方が資金効率が良いとされています。
しかし、高配当株投資では戦略が異なります。
株価が低い時に購入することで、より高い配当利回りを実現でき、結果的に資金効率を向上させられます。
たとえば、年間100円の配当を支払う銘柄があるとします。
この銘柄を株価2000円で購入した場合、配当利回りは5%となります。
しかし、株価3000円で購入した場合、利回りは3.3%まで低下します。
同じ100円を得るために必要な投資額が、2000円から3000円へと増えてしまうわけです。
日常の買い物と同様に、少ない資金で効率良く配当を得るためには、株のバーゲンセール時に購入することが重要です。
割安なタイミングでの購入方法については、後述する5ステップで詳しく説明します。
資金に余力を残しておくこと
最後に、高配当株投資で重要なことは常に資金は余力を残しておくことです。
仮に、投資可能な資金が100万円ある場合でも、全額投資に回すのは避けるべきだと考えています。
市場が大きく動揺し、株価が暴落した時こそ、高配当株投資の絶好のチャンスが訪れます。しかし、すべての資金を初めから投入してしまうと、このようなチャンスを活かすことができません。
株価が下落し「絶好のタイミング」と感じたとしても、株価の底値は誰にも予測できません。全資金を投入してしまうと、さらに株価が下がった場合に追加投資ができなくなり、大きな機会損失を招くことになります。
実際には、どれだけ絶好のタイミングと感じても、期待に反してさらに価格が下落することも少なくありません。
投資する際には常に一定の余剰資金を確保しておくことで、市場の変動に柔軟に対応し、リスクを分散させることが可能となります。
資金をどのように配分し、どのタイミングで購入を進めるべきかについては、後述する5ステップで詳しく解説します。
【5STEP】日本高配当株の買い方
ここからは、私が普段から行っている高配当株の買い方をもとに、高配当株の買い方を5STEPで解説していきます。
- 優良高配当株リストを準備する
- 高配当株リストをチャートツールに登録する
- チャートツールを設定する
- 定期的にリストを監視する
- 買う条件に当てはまれば買い付ける
1から3については少々手間がかかりますが、はじめに1度準備すれば完了です。
あとは4と5を日々繰り返していきます。
ひとステップずつ解説していきますね。
1.優良高配当株リストを準備する
高配当株投資で大切なのは、買いたい銘柄をリスト化して常に監視する事です。
日常的に監視しやすくすることで、割安のタイミングを逃さず買うことができます。
逆にリスト化していないと、絶好の買い時を逃してしまうことになりかねません。
直近の大きな買い時でいうと、2020年のコロナショックです。コロナショックでは底値付近で株価が停滞したのはわずか1週間ほど。
日々監視していないとこの絶好のチャンスをつかむことはできません。
高配当株投資でまず初めにやることは、あなたが買いたい高配当銘柄をリスト化することです。
このページはすでに銘柄リストが整っている前提で進めます。もし需要があれば、高配当株リストの作成方法については別のページで解説できればと思います。
ちなみに私自身も日本高配当株リストを作成していますので、参考までに紹介しておきます。
2.高配当株リストをチャートツールに登録する
銘柄リストが完成したら、銘柄を監視できる環境を整えます。
効率的に銘柄の動きを監視するにはチャートツールの利用がおすすめです。
私が普段使用しているのは無料で使える TradingView というチャートツールです。
チャートツールは何でも構わないのですが、今まで沢山のチャートツールを使ってきて、私は一番便利な TradingView を使っています。
パソコンにインストールしなくてもブラウザ上で使えるため、WindowsでもMacでも使えて気に入っています。
個人的に TradingView で一番助かっているのは、登録銘柄を配当利回り順に並び変えてチャートを確認できる機能で、毎日配当利回り順にチャートを素早く確認できます。
たとえば、以下画像のように、まずはリスト一番上の「日本たばこ産業」をクリックすると、チャートが画面上部に表示され、状況をチェックできます。
「日本たばこ産業」のチェックを終えたら、キーボードの↓キーを押して、次の「武田薬品工業」のチャートをチェック。
という具合に、配当利回りの高い銘柄を優先的に、効率的にチャートをチェックできます。
任意の銘柄リストを配当利回り順に並び替えてチャートを上から確認できるのは、私の知る限りTradingView のみです。
TradingView は基本無料で利用できます。
ただ、登録したい銘柄が30銘柄を超える場合は有料プランが必要です。
最安プランで月$12.95ドルほどと低価格なうえ、30日は無料です。(私の場合は初めは高機能なPremiumプランでお試しして、無料期間が終わる前にEssentialプランに切り替えました)
以降のステップは TradingView を前提とした解説となります、もし読み進めていただく場合は無料お試しでご登録ください。
TradingViewへ銘柄リストの登録方法
TradingView にログインできたら、ウォッチリストにあなたの買いたい銘柄リストを登録します。
銘柄登録は以下の手順です。
右上の①+ボタンをクリックし
②銘柄コードを入力
③対象銘柄の+ボタンをクリック
すると登録できます。
すべての銘柄が登録できたら、次はチャートの設定に進みます。
3.チャートツールを設定する
監視をしやすくするために TradingView の画面設定を行います。
配当利回り順に並び替える設定
まずは登録銘柄を配当利回り順に並び替えるための設定を行います。
ラベルの付与
ウォッチリストに登録した銘柄名の左にカーソルを合わせると、以下画像のようなグレーのラベルが浮き出ますので、クリックするとラベル付与ができます。
登録した全銘柄にラベルを付与します。
ラベルは後述するスクリーナー機能で利用します。
スクリーナーの設定
次は*スクリーナーの設定を行います。
※財務指標やテクニカル指標で銘柄をフィルタリング(絞り込み)できる機能
初期フィルタの解除
まず、初期設定の余計なフィルターを解除します。
画面左下のスクリーナー内にある「フィルター」をクリックします。
次に「すべてリセット」をクリックして、余分な条件を解除します。
フィルタの適用
次にスクリーナーに登録銘柄のみを表示させるためにラベルを適用します。
下図の「ティッカー」にカーソルを合わせると、グレーのラベルが浮き出るのでクリックします。
下図のように、先ほどウォッチリストに登録済みの高配当銘柄が表示されればOKです。
フィルタカラムの設定
次に高配当銘柄を配当利回り順に並び替えるために、フィルタカラムの設定を行います。
まず、画像赤枠の三点リーダーをクリックします。
カラムの追加、解除ができますので「予想配当利回り」にチェックを入れます。(私の場合は配当利回りだけ表示させていますが、その他カラムはお好みで調整してください)
追加された「予想配当利回り」カラムをクリックすると、配当利回り順に銘柄を並び替えは完了です。
以上の設定で、登録した高配当銘柄リストを配当利回り順にチャート確認できるようになりました。
インジケーターの表示
高配当株の買い時を見極めるためには、チャートによるテクニカル分析が必須です。
ここではテクニカル分析に必要なインジケーターを TradingView に表示させます。
私が使用しているインジケーターは「MACD」と「RSI」です。
MACDの表示
画面左上の①「インジケーター」をクリックし
②「MACD」と入力します。
③「MACD(移動平均収束拡散)」を選択する
とMACDがチャート下に表示されます。
詳しい使い方は後述しますが、「MACD」はトレンドの転換の見極めに利用します。
RSIの表示
画面左上の①「インジケーター」をクリックし
②「RSI」と入力します。
③「RSI(相対力指数)」を選択する
とRSIがチャート下に表示されます。
こちらも詳しい使い方は後述しますが、「RSI」は売られ過ぎの判断に利用します。
以上でTradingViewのチャート設定は完了です。 初めから設定手順を見る
以降は高配当株の監視方法を解説します。
4.定期的にリストを監視する
TradingView で銘柄を監視する準備は整いましたので、ここからは私がどのように日々監視しているのかを紹介します。
具体的には以下の通りです。
- 配当利回り順に並べる
- 買い条件を満たしているかチェックする
- 3.75%を超えているか
- 高値からの下落率は大きいか
- MACDのがクロスしそうか
- RSIが売られすぎ圏か
この手順を定期的(*週に1度程度)に行います。
※私の場合はスイングトレードも行っているので毎日見ていますが、長期目線の高配当株投資であれば週に1度程度で十分かと思います。
❶ 配当利回り順に並べる
まずは登録銘柄(ウォッチリスト)を配当利回り順に並べます。
配当利回り順に並べる手順が完了していれば、「予想配当利回り」をクリックすることで並び替えができます。
配当利回り順に並び替える理由としては、配当利回りが高い銘柄を優先的に確認したいからです。
高配当株の買いタイミングを後述しますが、私の場合は配当利回り3.75%未満の銘柄については日々の監視から除外してしまいます。
❷ 買い条件を満たしているかチェックする
配当利回り順に並び替えたら、各銘柄が買い基準に達しているか(高配当株の買い時か)をチェックしていきます。
私が定めている高配当株の買いタイミングは以下の通りです。
- 【必須条件】
- 配当利回りが3.75%を超えているか
- 【暴落】
- 高値からの下落率は大きいか
- 【短期的な買い場】
- MACDがクロスしそうか
- 【短期的な買い場】
- RSIが売られすぎ圏か
【必須条件】配当利回りが3.75%を超えているか
まず、配当利回り3.75%以上は必須条件です。
明確な定義は決まっていませんが、一般的に配当利回り3%以上の銘柄が高配当株とされています。
配当金には20.315%の税金がかかりますので、3.75%の配当金から税金が引かれると、約3%が私たちの手元に入金されます。
そのため、高配当株を買う場合には、投資額の3%以上は配当金として得られる、配当利回り3.75%以上ので買い付けるようにしています。
配当利回りが3.75%を超えている銘柄は、追加で次の3つの観点を見ていきます。
- 下落率
- MACD
- RSI
【暴落】高値からの下落率は大きいか
私が高配当株の買い時として狙っているのは、高値から大きく下落したタイミングです。
個人的に明確な数字も設けており、
- -20% の下落(小規模な暴落)
- -40% の下落(中規模な暴落)
- -60% の下落(大規模な暴落)
この数字は日経平均株価の過去30年間に基づくものです。
見ていただくと分かる通り、1990年のバブル崩壊では -60% の下落。2000年のITバブル崩壊、2007年サブプライム・ショック、2008年リーマン・ショックでも -60% の下落です。
過去の下落率から考えると、最大の下落率を-60%と設定し、高配当株の買い時としては、-20%、-40%、-60% の下落率と考えています。
各銘柄には癖がありますので、買いたい銘柄の過去の下落率についても調べてみても良いかと思います。
例えば、KDDIの過去10年間をみると、おおむね -20% 〜 -30% で反発しているので、この数値が一つの目安となるかと思います。
高配当株の一番の買い時は市場の暴落時です。
極端な話、暴落時にだけ買えばいいという事になります。
ただ、-20%、-40%、-60% という暴落は頻繁に発生しません。
このページをお読みいただいている方の中にも、以下のように考えている方もいるはずです。
- 高配当株投資に興味あり今すぐ始めたい
- 少しでもいいから配当金を得る経験が欲しい
- 早くポートフォリオを成長させたい
そのような方向けに、私が行っている「MACD」「RSI」といったインジケーターを使った短期目線での高配当株の買いタイミングの見極め方を紹介します。
【短期的な割安】MACDの位置を確認
MACDはトレンドの転換を見極めるためのインジケーターです。
一般的に、MACDライン(青線)がシグナルライン(オレンジ線)をクロスしたらトレンド転換です。
私のMACDを利用した買い時としては、より深い位置(下の方)でクロスしそうになったポイントです。
上記画像を見ていただく、おおむねMACDのクロス以降で上昇トレンドに切り替わっていることが分かると思います。
暴落とまではいかないまでも、短期的な下落を掴むのに使えるインジケーターです。
【短期的な割安】RSIの位置を確認
RSIは株の売られ過ぎを判断するための指標です。
一般的に、RSIが-80を割ったら売られ過ぎとされます。
私のRSIを利用した買い時としては、RSIが -80 を割りRSIが赤くなっているポイントです。
RSIが -80 を割り込んだ後はおおむね株価が反発していることが分かるかと思います。
5.買い条件に当てはまる株を買い付ける
前述した買う条件である
- 配当利回りが 3.75% 以上で
- 下落率が -20% (-40%、-60%)
- もしくは
- MACD、RSIの買いポイント
という買う条件に当てはまれば、実際に*買い付けに進みます。※相場状況によっては条件に当てはまっても買わない場合もあり
ただ、株の買い付けで迷うのは、どれくらい買えばいいのかという資金管理の問題です。
私の場合は、株式と現金で半分づつの割合を維持するようにしています。
高配当株投資に使える資金が100万円だとすると、株式に50万円投資して、現金50万円は口座に寝かせている状態です。
常に現金は半分残している理由は暴落時への備えです。
インデックス投資であれば、タイミングを読まずに一括投資が資金効率がよいとされていますが、高配当株投資はアクティブ投資(タイミング投資)ですので、いかに株が割安のタイミングで買い付けるかが投資成績に影響します。
全資金を投資してしまうと、株がバーゲンセールとなっている絶好の機会を逃すこととなってしまいます。
高配当株投資では、余力を残しておくことが大切です。
ただ、暴落ななかなか来るものではありません。
市場が通常時にはMACDやRSIといった短期的な割安タイミングを狙って少しづつ買いすすめ、下落率 -60% 等の世界的な市場の暴落にも備えておくのが得策だと考えています。
日本高配当株の買い方まとめ
私が実際に行っている高配当株投資の買い方について5STEPで紹介しました。
高配当株の買い時のベストタイミングは市場の暴落時です。
極論ですが、暴落時だけに買い付けられれば、高配当株投資は成功します。
ただ、暴落は頻繁に発生するものではありません。
また、暴落が来たからといって上手く底値を当てられるとは限りません。
ですので、高配当株投資では以下を基本戦略としています。
配当利回りが3.75%を超えていることを必須条件として、市場の暴落を待ちつつ(高値から-20%、-40%、-60%の下落)、MACDやRSIなどで小さく買い集める。
5ステップでも解説したとおり、TradingViewなどの高性能なチャートツールで、日々高配当リストの監視を継続することで、相場観が養われます。
MACDやRSIなどの便利なインジケーターで短期的な安値で買ってみることで、高配当株投資(タイミング投資)の買い方も徐々に身についてきます。
そして、暴落という最大のチャンスも見逃さずに絶好のタイミングで買いを大量に入れることもできるでしょう。
ぜひ、このページで紹介した5ステップをご参照いただき、高配当株投資の環境を整えていただければと思います。
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本記事で提供される株式投資手法に関する情報は、一般的なガイダンスを目的としており、投資結果を保証または約束するものではありません。投資に関する決定は、読者ご自身の責任で行う必要があります。本記事の内容に基づいて行われた取引から生じるいかなる損失や損害についても、記事の著者や運営者は責任を負いません。投資を行う前には、独自のリサーチを行い、必要に応じて専門家の助言を求めることをお勧めします。