【2025年1月】オルカンで4%ルール|取り崩し検証の開始

202501_オルカン4%ルール

当ブログのコンセプトは「株で生活を豊かに
筆者の目標は「株で生活すること」です

今回はこのテーマに沿った企画の一つとして、2025年1月より

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)での4%ルール取り崩しの実証実験

を開始しました。

目次

はじめに:4%ルールとは

当ページをお読みいただいているという事は、すでに4%ルールについてご存じかとは思いますが、念のため4%ルールについて解説します。

4%ルールを簡単に説明すると以下のとおりです。

4%ルールとは?
  • 米国株式50%と米国債券50%のポートフォリオから
  • 4%にあたる金額を、毎年定額で取り崩すことで
  • 高い確率で、資産を減らさずに使い続けられる

4%ルールは1998年にアメリカのトリニティ大学が発表した研究「トリニティスタディ」に基づいています。

4%ルールを活用すれば、次のような計算が成り立ちます。

毎年の生活費 = 資産の4% ➡ FIRE

FIRE(ファイア)とは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った造語で経済的自立と早期退職を意味します

  • 毎月の生活費が20万円(年240万円)であれば資産6000万円
  • 毎月の生活費が月30万円(年360万円)であれば資産9000万円

の資産を築くことで、金融資産のみで生活可能ということになります。

以上が4%ルールの基本的な概要です。

オルカン4%ルール検証の目的

今回のオルカン4%ルールの実証実験企画の目的は次のとおりです。

  1. 将来の資産取り崩しの練習
  2. オルカン100%で4%ルールがどう機能するかの検証
  3. 読者の皆さんへの疑似体験の提供

1. 将来の資産取り崩しの練習

ひとつめの目的は、筆者自身が将来の資産取り崩しを練習することです。

筆者は現在30代で、老後の資産形成のためにインデックス投資を続けています。

投資対象は eMAXIS Slim 全世界株式、通称オルカンです。

現時点では毎月収入があるので、実際に運用した資産を使うのは老後を想定しています。

しかし、オルカンは分配金がでない投資信託です。

そのため必要に応じて、自らファンドを解約する必要があります。

この資産を売るという行為は心理的ハードルが高いと想定されます。

・もっと増やしたいという欲
・資産が減ることへの不安

こうした心理的な壁が原因で、資産を使い切らずに人生を終える人が多いとも言われています。

そのため早い段階から取り崩しの感覚を身につけておきたいと考え、この企画をスタートしました。

2. オルカン100%で4%ルールがどう機能するかの検証

2つ目の目的は、オルカン100%のポートフォリオで4%ルールがどのように機能するのかを検証することです。

4%ルールの基本ポートフォリオは、「米国株50%」「米国債券50%」で組まれています。

一方、筆者はオルカン100%のポートフォリオで投資しており、債券は含んでいません。

読者のみなさまも、あえて債券(米国社債)を組み込んでいる方は少ないのではないでしょうか。

過去の研究「トリニティースタディー」によると、全世界株100%のポートフォリオでは、4%ルールの成功確率が低下する傾向が示されています。

ただし、これはアメリカの過去データに基づいたものです。

以下のような日本特有の条件は考慮されていません

  • 為替リスク(円と外貨の変動)
  • 日本のインフレ率
  • 日本の税率

正直なところ、日本で円ベースで暮らしている日本人にとっては、4%ルールはあくまで一つの目安でしかないと考えています。

ただ、日本で同じような研究結果がない以上、一つの基準として4%という数字を扱うのは、インデックス投資の出口戦略を考える上で意味のある事かと思います。

そこで日本人が円ベースでオルカン100%のポートフォリオを運用し、4%ルールを実施した場合に、資産にどのような影響を与えるのかをリアルタイムで検証することにしました。

3. 読者の皆さんへの疑似体験の提供

最後の目的は、読者のみなさまに疑似体験の場を提供することです。

おそらくこの記事をご覧になっている多くの方が、オルカンへの積み立てをされていると想定しています。

みなさまは将来のインデックスファンドの取り崩しについて、「いつ」「いくら取り崩す」か、具体的なイメージをお持ちでしょうか。

お恥ずかしながら、筆者自身は全くイメージを持たずにインデックス投資を始めました。

「とりあえず余剰資金を積み立てておけば、将来増えているだろう」ぐらいの漠然とした感覚です。

しかし、インデックス投資はあくまで資産を築く手段であり、取り崩して生活に活かすプロセスがあって、はじめてその価値が実感できるものです。

例えば

  • 毎月の生活費としていくら必要で
  • その金額をどのくらいの頻度で取り崩せば資産が長持ちするのか

具体的な感覚をつかんでおくことは、とても大事だと考えています。

そこでこの企画では、オルカンを4%ルールで取り崩すと資産がどうなるのか、というリアルな状況を毎月共有していきます。

この企画を通じて、将来みなさまが実際にインデックスファンドの取り崩しを行う際の参考となれば幸いです。

それでは次に、今回の企画の前提となるルールについて解説しておきます。

オルカン4%ルール検証の内容

今回の企画のルールは次の通りです

元本100万円
ポートフォリオeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
口座特定口座
売却方式定率取り崩し
取り崩し率毎月0.3%(年3.6%)
取り崩し日毎月1日
投資開始日2025年1月(一括投資)
取崩開始日2025年2月(月初日)

元本: 100万円

元本は100万円とします。

理由は数字として分かりやすく、読者の皆さまがスケールしやすいためです。

例えば、資産が一千万円であれば損益も10倍、1億円であれば、100倍としてイメージいただけます。

同じ損益率で計算できますので、ご自身の資産に応じて、参考にしていただけるかと思います。

なお、追加投資は行わず、取り崩しのみ実施します。

ポートフォリオ: オルカン100%

今回の投資対象は、オルカン100%のポートフォリオとします。

理由は、筆者自身がインデックス投資では、オルカンへ100%積み立てているためです。

本家4%ルールの基本ポートフォリオでは「米国株50%」と「米国債券50%」ですが、日本でこのポートフォリオを再現している方は少ないのではないでしょうか。

また、オルカンは投資対象としてシンプルで分かりやすいですし、仮に投資先が、S&P500連動型の投資信託だったとしても大きなパフォーマンスの違いはありません。

基本的な考え方として、オルカン100%のポートフォリオは十分多くの方に参考になると考えています。

口座: 特定口座

使用する口座は特定口座とします。

理由は、取り崩し時に発生する税金の影響を確認するためです。

税金を考慮した資産の実際の推移を検証することで、より現実的なシミュレーションとなるでしょう。

現在では新NISAの大きな非課税枠があるので、特定口座でインデックス投資をしている方は、少なくなっているかもしれません。

ですが、より厳しい条件を付け加える分には、多くの方にの参考となると考えています。

売却方式: 定率取り崩し

売却方式は定額ではなく、定率取り崩しを採用します。

定額取り崩しは、毎年一定額を取り崩す方法です。

例えば、元本100万円の場合、その4%である4万円を固定で取り崩します。

2年後、3年後に資産が増減しても、4万円を取り崩し続けます。

定率取り崩しは、資産額に応じた割合で取り崩す方法です。

例えば投資信託の評価額が

  • 100万円のときは4万円
  • 110万円に増えたら4万4千円
  • 90万円に減ったら3万6千円

となります。

定率取り崩しを選んだ理由は、運用状況に応じて、取り崩し額を調整されるためです。

定率取り崩しであれば、評価額が減少したときに取り崩し額を抑えられるので、より長く取り崩しできる可能性が高くなります。

また筆者自身が将来的に、定率取り崩しを予定しているため、この実験でも同じ方式を採用しています。

取り崩し率: 毎月0.3%

取り崩し率は毎月0.3%、年間で計3.6%とします。

毎月での取り崩しとするのは、多くの方が将来取り崩し期に入った際に、年初に一括取り崩しなどではなく、毎月のキャッシュフローを得たいと考えると想定しているためです。

0.3%という取り崩し率に関しては、4%を12ヵ月で割った0.33%から、小数第2位以下を切り捨てた数字。

楽天証券の定期売却サービスの仕様上、設定できる取り崩し率が小数第1位までのため、0.3%の設定としています。

月0.3%の取り崩しですと、年間で計3.6%なので、4%を下回りますが、資産をより長持ちさせるための現実的な設定かと思います。

取り崩し日: 毎月1日

毎月の取り崩しを実施する日については、毎月1日を設定しています。

理由は、月初にキャッシュフローを得たいという需要が多いと考えられるためです。

なお、設定日である一日(ついたち)が休日の場合には、前営業日(前月最終営業日)に取り崩しが行われます。

投資開始日

投資開始日については、2025年1月はじめに100万円を一括投資しました。

出典:楽天証券

取崩開始日

取り崩しを始める時期については、来月の2025年2月に初めの取り崩しが実施される予定です。

2025年1月24日現在の評価額は 1,037,041円 となっています。

出典:楽天証券

この資産額を基準とすると、初回の2月は 3,101円 が受け取れる試算となっています。

出典:楽天証券

まとめ|今後の流れ

オルカン4%ルールの取り崩し実証実験の内容は次のとおりです。

・2025年1月に、100万円をオルカンへ一括投資
・2025年2月から、毎月0.3%の定率取り崩し開始
・追加投資は行わず、取り崩しのみ実施

今後は毎月取り崩しのレポート記事を配信していければと思います。

具体的には、

  • 取り崩した金額
  • 取り崩し後の資産残高

など、具体的な運用結果をレポートする予定です。

オルカン100%で4%ルールを実践した場合、資産がどのように推移するのか、皆さんと共有できればと思います。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた2月にお会いしましょう。


人気記事バックナンバー

目次