「取り崩しているのに、資産は増え続けている」——。
2025年9月、オルカン4%ルールの取り崩し実験は9ヵ月目に入りました。
今月の結果は 資産が1,060,165円に到達。
取り崩しで毎月お金を引き出しているにも関わらず、資産は減らずに増え続けています。
この記事では、最新の結果とシミュレーション、オルカンのポートフォリオや銘柄入れ替え情報まで整理してご紹介します。
オルカン4%ルールとは?
オルカン4%ルールとは、人気投資信託「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」に投資し、
年率4%(毎月0.3%)を定率で取り崩していく という投資実験です。
100万円を元本にスタートし、そこから毎月一定額を引き出しながら資産がどのように推移していくのかを検証しています。
詳しいルールや背景については、第1回目の記事・動画でまとめていますので、初めての方はこちらからご覧ください。
9ヵ月目の結果:資産1,060,165円に
今月の取り崩し額は 3,190円。
銀行口座に入金された金額です。
取り崩し後の評価額は 1,060,165円。
今年1月の投資開始以来、最高額を更新しました。
税金は 17円 発生しました。
これは特定口座の自動損益通算によるもので、今年1月から8月まで累計でマイナスだった損益が、9月にプラスに転じたためです。
新NISA口座であれば非課税となるため、ここは大きな違いですね。

市場背景と株価推移
9月の取り崩しは、米国株市場が力強く回復したタイミングでした。
8月初旬に米雇用統計の悪化を受けて株価は一時下落しましたが、その後すぐに反発。
オルカンのETF版「MAXIS 全世界株式(オール・カントリー)」も過去最高値圏で推移しており、今回の資産増につながっています。

50年後のシミュレーション
現在の資産額106万円を、オルカンの想定リターン 年率7% で運用しつつ、毎月0.3%を取り崩し続けた場合——。
- 50年後の資産額は 約513万円
- 月々の取り崩し額は 15,000円超
にまで増える試算です。
もし元本が500万円なら最終資産は2,500万円、
1,000万円なら5,000万円規模に。
取り崩し額も毎月数十万円単位となります。
もちろんあくまでシミュレーションですが、長期投資の力をイメージするには十分な数字です。

出典:楽天証券定期売却シミュレーション
最新ポートフォリオ(2025年7月末基準)
オルカンに投資していると、「全世界に分散」とは分かっていても、中身を具体的に把握していない方も多いかもしれません。
ここでは最新の月次レポート(2025年7月31日基準)をもとに、ポートフォリオを整理してみます。
- 上位10ヵ国:アメリカが64.1%、次いで日本4.7%、イギリス3.2%など
- セクター別:1位は情報技術、2位は金融、3位は資本財・サービス
- 上位銘柄:エヌビディア、マイクロソフト、アップル、アマゾン、メタなど米国テックが中心
例えば毎月10万円を積み立てている場合、そのうち2万円以上がビッグテック企業に投資されている計算になります。
「全世界分散」とはいえ、アメリカとテック企業に大きく偏っている点は知っておきたい特徴です。



銘柄入れ替え情報(2025年8月)
オルカンのベンチマークである MSCI ACWI では、年4回(2月・5月・8月・11月)に銘柄の定期入れ替えが行われます。
2025年8月の入れ替えでは、
- 42銘柄が追加
- 56銘柄が除外
されました。
日本企業では、川崎重工業と良品計画が新規追加。
一方で、電通グループ、ホシザキ、オムロン、小野薬品工業、リコーが除外となっています。
オルカンを保有していれば、自分で銘柄を選ばなくても、世界の成長企業に自動で乗り換えられる仕組みになっているのです。
最新トピック:「地球の歩き方」とコラボ
今月のユニークな話題として、「地球の歩き方」とオルカンがコラボした公式ガイドブックが発売されました。
世界47の国・地域を、旅行ガイドのように紹介しながらオルカンの投資先も学べるという一冊です。
数字だけではイメージしづらい世界分散投資を、旅行気分で理解できるユニークな切り口になっています。

まとめ
- 9ヵ月目の取り崩し額は 3,190円
- 評価額は 1,060,165円 で最高額を更新
- シミュレーション上は50年後に500万円超に成長
- 実際のポートフォリオは米国株・テック企業に偏重
- MSCIの入れ替えで最新の成長企業に対応
- 「地球の歩き方」とのコラボで学びも楽しく
取り崩しを続けながらも資産は減らず、むしろ増え続けているという結果になりました。
今後も毎月の検証を続けていきますので、ぜひ次回もご覧ください。