株式投資に興味があるけど何をすればよいかわからないな。。
株式投資初心者はインデックス投資だけで十分です
インデックス投資は、世界一の株式投資家も推奨している最も合理的な株式投資手法です。
- インデックス投資とは
- インデックス投資だけでいい理由5選
初心者の方にとって、株式投資は難しいことばかりと感じられるかもしれません。
ただ、この記事を読めば最もシンプルな投資手法とも言えるインデックス投資が、実は一般的な投資家にとって最も適した手法であることが分かります。
株式投資はインデックス投資だけでよいのです。
インデックス投資をすでに始めている方でも、なんとなくで続けている方も多いはず。
インデックス投資を深く知ることで、たとえ暴落時も腰を据えて投資を続けていくことができるでしょう。
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インデックス投資とは?
インデックス投資とは、ある市場の指数(=インデックス)に連動した投資信託やETFで運用する株式投資手法です。
例えば、日本の株式市場を代表する「日経平均株価」という指数があります。
- 日経平均株価:日本を代表する225社から計算する平均株価
インデックス投資では、この日経平均株価に連動を目指して運用されているインデックスファンドなどに投資します。
ただし、注意したいのは日本の指数に連動するインデックスファンドの購入はお勧めできません。
日本の株価は長期的に成長が見込めないためです。
この記事でのインデックスファンドとは、
- 米国のインデックスファンド
- 世界分散型のインデックスファンド
を前提にお話していきます。
上記2つのインデックスファンドは長期的な成長が期待されます。
長期的に右肩上がりに成長している指数に沿ったインデックスファンドに投資する、というのがインデックス投資の基本的な考え方です。
それでは、なぜインデックスファンドだけで良いのでしょうか?
個別銘柄への集中投資や、インデックスファンド以上のリターンを目指すアクティブファンドではだめなのでしょうか?
以降でその理由を解説していきます。
インデックス投資だけ5つの理由
インデックス投資だけでよい理由は次のとおりです。
- 株価分析で勝つのは至難のわざ
- アクティブファンドよりも成績がよい
- コスト面で有利
- 新NISAもインデックスが最適
- 長期保有すれば元本割れリスクが低い
それぞれについて解説していきます。
株価分析で勝つのは至難のわざ
まず、株式投資の大前提として、未来の株価は誰にも予測できません。
いかなる手法で分析しても、株価の先を読んで利益を上げることは至難のわざです。
しかし、大部分の株式投資家は株価の動きを予測しようと、主に下記2つの分析宗派に分けられます。
- テクニカル分析派
- ファンダメンタル分析
それぞれを活用しても、どうして利益が上げられないのでしょうか。
テクニカル分析が機能しない理由
テクニカル分析派の投資家は「過去の株価の動きを分析すれば、未来の動きを読める」と主張します。
例えば以下のチャートをご覧ください。
テクニカル分析をご存じの方は、トレンドラインやダウ理論などに基づき、複数個所で売買シグナルがでていると分かるのではないでしょうか。
ですが、このチャートには秘密があります。
実はこのチャートは以下のメカニズムで作成されたチャートなのです。
1/1に株価1000円からスタート。
コインの表が出た日は株価が10円が上がる。
コインの裏が出た日は株価が10円が下がる。
これを12/31まで続ける。
チャートを見ると確かに、連続して上がりトレンドが出来ている部分があります。
ですが、コインの表と裏が出る確率は毎日、それぞれ50%の確立です。
1日前の結果が翌日の結果に影響を及ぼすことはありません。
にもかかわらず、ランダムに投げられたコインでチャートには、トレンドがあるように見えてしまうのです。
実際の株式チャートもコイン投げと同様に、上がるか下がるかの確率は50%です。
人間が無理やり作った因果関係には、なんの意味も持たないことがお分かりではないでしょうか。
ファンダメンタル分析が機能しない理由
ファンダメンタル派の主張は「過去の利益から将来の利益を予測する」というものです。
しかしファンダメンタル分析には以下の問題があります。
- ランダムに発生する事件は予測できない
- 開示情報が正しいとは限らない
ランダムに発生する事件は予測できない
企業の業績に大きな影響を与える出来事の多くはランダムに発生するため予測不可能です。
- 政府の方針
- 法律規制の変更
- 経営の中枢を担う人物の死
- 新商品の開発
- 欠陥製品の発生
- 石油流出事故
- 工場爆発
- テロリストの攻撃
- 新規参入や価格競争
- 自然災害
上記のような事象は誰が事前に予測できるのでしょうか。
当然、過去の業績からは分析が不可能です。
開示情報が正しいとは限らない
我々一般投資家に開示されている情報すべてが正しいとは限りません。
過去には何度も大手企業による粉飾決算が行われてきました。
一例としては、2015年東芝の不正会計問題が記憶に新しいでしょう。
1500億円以上を水増しして利益を多く見せていた問題です。
少なくとも個人投資家が粉飾決算を見抜くことは難しいでしょう。
ファンダメンタル分析の父と呼ばれるベンジャミン・グレアムでさえ、生前ファンダメンタル分析の優位性に対しては疑問を呈していたようです。
アクティブファンドよりも成績がよい
資産運用のプロによるアクティブファンドよりも、インデックスファンドの方が成績が良いことが証明されています。
アクティブファンドとは、指数に連動するインデックスファンドよりも高いリターンを目指して運用されているファンドです。
アメリカの代表的な指数であるS&P500とアクティブファンドを比較してみましょう。
下記表は1970年から2017年にかけての比較データがあります。
このデータによると、過去47年間の平均リターンでインデックス(S&P500)を上回れたのは、わずか8%。
2022年現在では、アクティブファンドの数は数千本にも増えています。
この中から、市場平均を上回るアクティブファンドを探し出すのは至難の業であることが分かるでしょう。
コスト面で有利
インデックス投資は指数に連動するシンプルな運用のため、保有のためにかかるコストを安く抑えることができます。
投資信託には次のコストがかかります。
- 購入時:購入時手数料
- 保有中:信託報酬
- 解約時:信託財産留保額
- 解約時:所得税+住民税(利益が出た場合のみ)
ですが、インデックスファンドには①③はかからない商品があります。
また、運用手数料である②信託報酬もアクティブファンドに比べかなり低コストで保有できます。
そして④税金は解約して利益確定しない限り発生しません。
インデックスファンドは購入後は保有を長期間続けるのが基本戦略となります。
そのため増えた分にかかる税金は解約のタイミングまで発生しないため、より複利効果を得やすくなるのです。
新NISAもインデックスが最適
2024年から始まる新NISAもインデックス投資との相性が抜群です。
なぜなら、無駄なコストを払わずにその分を投資元金として、複利で効率的に増やしていけるからです。
インデックスファンドはノーロードのものを選べば、運用にかかるコストは信託報酬のみ。
一方個別株だと、一定額を超えた売買を行うと手数料がかかるのが一般的です。
銘柄選択を行い、売買タイミングをうかがい、手数料を払って購入した結果、勝てる可能性は高くはありません。
せっかく無税で長期間運用して複利で増やしていけるのに、みずから複利を犠牲にして、枠を削り、もったいない。
株式投資初心者は、長期的にみて勝率の高い堅実なインデックスファンドでの運用がよいでしょう。
長期保有すれば元本割れリスクが低い
インデックス投資は15年以上続ければ元本割れをする可能性が低いです。
下記は保有期間ごとのリターンの幅をグラフで表したものです。
インデックスファンドを1年間保有した場合では、+60.7%~-48.7%になる可能性があります。
しかし、保有期間が伸びるにつれてリターンが安定しマイナス幅は小さくなっていきます。
保有期間が15年を超えると、ついにマイナスの可能性は無くなりました。
つまり、過去のデータからであればインデックス投資は15年続ければ元本割れする可能性は無いとするら言えるのです。
本当にインデックス投資はこの先安泰なのか
ここまでインデックス投資が最も合理的である投資手法であることを紹介しました。
では、インデックス投資はこの先も過去のような利益を上げることができるのでしょうか。
株価の未来は誰にも予測できませんが、アメリカの超大手資産運用会社Vanguard社が予測を出しています。
以下は2022年9月に同社が公表した、今後10年間のリターン予想レポートです。
Vanguard社によると、今後10年間は米国よりもその他世界の方が好調と予測しているようです。
あくまで予測でありこのリターンが約束されているわけではありません。
過去10年のように2桁の成長を見込むことはできませんが、一定の成長を見込むことができそうです。
レポートを参考にするのであれば、米国一強が続くことに自信が持てない方は、全世界型のインデックスファンドが無難でしょう。
結論|投資初心者は新NISAでオルカン1本で十分
株式投資初心者はインデックス投資だけでいい理由を解説してきました。
結論として、株式投資初心者がすることは以下で十分です。
2024年から始まる新NISA枠で、毎月可能な額を「eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)」へ投資する
新NISAで売却益はゼロ、オルカンは購入・解約手数料ゼロ、信託報酬(実質コスト)0.2%以下です。
証券口座へ一度買い付け設定をしてしまえば、あとは毎月自動買い付けできるので、投資に時間をさけない方にも最適なプランでしょう。
この記事は名著ランダムウォーカーを参考に、独自の見解を加えて書きました。
ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 [ バートン・マルキール ]インデックス投資はシンプルで誰でも始められる反面、他人の意見のみで、自分の中で落とし込めていないと、暴落時に怖くなって手放してしまうでしょう。
それをしてしまうと、「高く買って、安く売る」という投資家が最もやってはいけない行動に出てしまいます。
- 株式投資を基礎から知りたい
- インデックス投資を説明できるくらい深く知りたい
という株式投資初心者でも分かりやすく書かれているのでお勧めです。
著者バートン・マルキール氏も本書の中で以下のように説明しています。
本書は投資の専門的知識を持っていない普通の人々を念頭に置いて書かれたものであり〔中略〕予備知識も必要としない。必要なのはただ、株式投資に対する興味と、投資を実りあるものにしたいという意欲だけである。
ウォール街のランダム・ウォーカー
株式投資家必携のバイブル本となるでしょう。